自己理解がある人は、「コミュニケーション能力」が高い?自己理解を深めるメリットとは
「伝えたいことをうまく話せない・・・」
「職場の人と良好な人間関係を構築したい」
「コミュニケーションに苦手意識がある・・・」
仕事、友人関係、家庭。
日々の生活を送るうえで、コミュニケーションに悩む人は少なくありません。
「コミュニケーションについて学ぼうとしたが、どうしたらいいかわからない…」
そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は自己理解を深めることがコミュニケーション能力を高める1つの手段になるのです。
本記事ではコミュニケーションに自己理解が必要な理由やメリット、自己理解を深める方法についてご紹介いたします。
コミュニケーションとは
コミュニケーション(communication)とは「人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと」を指します。
自分の意思や感情、伝えたい情報などをスムーズに相手に伝える能力はもちろん、相手の話に耳を傾け、理解する能力も「コミュニケーション能力」の1つです。
すなわち円滑なコミュニケーションとは、お互いに相手の考え方や気持ちが理解できている「相互理解」の状態によって生み出されます。
そして「相互理解」の状態を作り出すには、「自己理解」と「他者理解」を深めることが重
要です。
双方を適切に行うことで、自己開示や相手を理解するためのハードルを取り除かれ、良質な「相互理解」を作り出せるのです。
参考:心のキャッチボール
9割の人は「自己理解」が出来ていない
アメリカの心理学者ターシャ・ユーリック氏は、「95%の人は自己認識ができていると思っているが、実際には10%〜15%の人しか正しい自己認識をしていない」(Tasha Eurich·TED×MileHigh “Increase your self-awareness with one simple fix” 著者訳)という統計を明らかにしました。
つまり、約9割の人が「自己理解」を出来ておらず、客観的な視点を持てていないということ。
多くの人が陥りやすい状況として、年齢を重ねると蓄積してきた経験や周囲の発言から、自己認識を歪めてしまう場合があります。
自己認識の歪みを改善するためにも、自身の振り返りや自己内省を定期的に行い、自己理解の状況をアップデートしていくことが必要です。
コミュニケーションに自己理解が必要な理由とメリット
他者理解・相互理解の基盤ともなる「自己理解」。
自己理解を深めることは、自分を理解するだけではなく、自己理念やパーソナリティの確立にも繋がります。
ここからは自己理解を深めることで得られるメリットを3つご紹介します。
①自分に合った選択ができるようになる
自分の強みや弱み、価値観など自分の個性を理解することで、自分に合った環境や方法を選択することができるようになります。
例えば、学生時代の勉強方法を振り返ってみると
参考書で基本から着実に学習するタイプ
演習や実験で知識を吸収するタイプ
など様々なタイプがいたのではないでしょうか。
これは、得意な学習パターンが個性の違いに連動しているからです。
個性の違いによって、効果的な学び方や作業の進め方、居心地の良い環境は異なります。
自分の個性を理解し、自身に合った選択をすることは結果的にパフォーマンス向上や効率化に繋がっていきます。
②感情や行動のセルフコントロールができる
セルフコントロールとは、自分の感情・思考・行動を抑制したり調整したりするスキルのことです。
誰しもが極度の落ち込みや緊張、怒りを感じることがありますよね。
皆さんは自分が、どのような場面で大きく感情が揺さぶられるか理解していますか?
自己理解を深めることで感情が変化しやすい環境や原因を知ることに繋がります。
自分の感情への対処方法を理解できていると、冷静に判断ができるようになり、沸き起こった感情に対して適切な行動をとれるのです。
③他者との関係構築に役立つ
社会生活を有意義に送るためには、個性の異なる他者と良好な関係が必要不可欠です。
他者からみた自分がどのように見えているのか客観的に考えることで、自分と相手の価値観のズレを認識できるようになり、建設的に物事を進められるようになります。
もし自身の価値観を認識できていないと、相手との価値観のズレにストレスを感じてしまい、人間関係の構築にネガティブな影響が出てきてしまいます。
また他者への共感力や傾聴力も向上するため、他者との繋がりや影響力も深められ、他者理解の足がかりにもなります。
自己理解によって得られた知識や経験は自分のためだけではなく、他者のためにも役立てることができるのです。
今からできる、自己理解を深める方法3つ紹介
ここまでは自己理解におけるメリットや効果を説明してきました。
では、自己理解を深めるにはどのような方法があるのでしょうか。
自己理解を深めるために効果的な方法を最後に3つ紹介していきます。
①自分の人生を振り返る
自分史づくりは、自分と向き合い分析を行う自己分析方法の1つです。
まずは自分の人生を振り返り、記憶に残っている体験や出来事に対する満足度を年表のように書き出してみましょう。
人生の重要な出来事やモチベーションを把握することで、それらの出来事が自分にどのような影響を与えたのかを分析することができます。
例えば、小さい頃やっていた習い事を始めた理由や辞めたきっかけなどについて考えてみましょう。
どんな成功体験や失敗体験にも自分の価値観のヒントが隠れているはずです。
自分の人生の全体像を把握することで、人生全体に共通するテーマや理念が見えてくる場合もあります。
そのほかにも日記をつけたり、自問自答したりすることでも、過去の自分の行動パターンや価値観を発見することができます。
②周りの人からフィードバックを受ける
自己分析を進めながら、周囲の信頼できる人に自分のイメージを聞いてみましょう。
他者からのフィードバックは、自分でも気づきにくい側面を知るきっかけに繋がります。
また自己分析を通じて得た自分像と客観的にみた自分像のズレを認識する機会にもなるでしょう。
周りの人にフィードバックを求めるのは勇気が必要かもしれませんが、自分の幼少期を知っている親族や職場の上司など異なる観点から率直な意見をもらうことで、プライベートや仕事面で違う自分が見つかるかもしれません。
自分の考えや経験をSNSで共有し、読者からの反応やコメントを得たり、定期的に振り返りの機会を作ることでも自己理解の幅を広げることができるでしょう。
③自己理解やコーチングのセミナーを受講する
コーチングとは、指導をした相手が目標を達成できるように、コミュニケーション(対話)を繰り返し、主体的な行動を促す方法です。
コーチングの指導では具体的な指示や答えを与えるのではなく、答えを導き出すための問いを投げかけ、そこで得た「気づき」を拾い上げてサポートします。
自分と向き合い、納得できる答えを見つけるための方法なので、自己分析や周囲からのフィードバックから自己分析を深められないと感じた場合に効果的な方法と言えます。
講義だけでなく、他の受講者とのディスカッションやグループワークもあるセミナーを選ぶと、交流を通じて新たな気づきが得られます。
また専門家から新しい知識や視点を得ることができるので、自己理解が深まるだけではなく、自己成長にも繋がっていきます。
セミナーを受講した後に自己分析を行うことで、新しい発見や変化を感じることもできるでしょう。
まとめ
今回は自己理解は自分らしさを発揮できるきっかけやコミュニケーションに大きな好影響を与える重要なプロセスであることを説明してきました。
しかし自分の内面の全てを客観的に理解し、受け入れることは容易ではありません。
人間は自分の欠点やネガティブな側面を避ける心理的防衛規制がかかってしまうからです。
自己理解のプロセスを進める時は、一人で自分と向き合い続けるのでなく、周囲の協力を得ながら多角的に理解を深めることを意識して取り組みましょう。
<この記事を書いた人>
田村 優奈 Tamura Yuna
https://note.com/xyuz89ron/portal
北海道函館市在住。2023年からライターとして活動スタート。「毎日を気ままに、ご機嫌に」をモットーに暮らしています。趣味はカメラと御朱印巡り。